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ハセベ
今日は、パタゴニアの創始者にお会いできるのを楽しみにしてきました。今回の来日の目的は帝人さんとのエコ・サークルの取り組みと伺いました。
シュイナード
ペットボトルのリサイクルは1993年からやってます。25本のボトルから1枚のフリース・ジャケットが作れます。でもこれは循環しないので、ジャケットを溶かしてもういちど繊維を作るというのをやりたかった。最初はナイロンのリサイクルをドイツの会社とやろうとしていたのですがうまくいかなかった。帝人さんがポリエステルのリサイクル工場を造ったと聞いて、提携したわけです。機能性アンダーウェア「キャプリーン」を回収して、繊維にしてまた製品を作るという循環を実現させるわけです。
ハセベ
そうした環境を傷つけないための努力をパタゴニアは一貫してやってらっしゃいますよね。メーカーなら商品を作るだけで責任を果たしていると考えているところが多いと思うのですが、こういった取り組みをするにいたったきっかけはありますか?
シュイナード
私は金儲けのためにビジネスをやってるわけじゃないんです。生きていくには十分なお金はあります。革命を起こすためにビジネスをしているのです。パタゴニアという会社のミッション・ステートメントはよりよい商品を作り、できる限り環境に害を与えないということ。いつもよりよい方法がないかを模索しています。生地を注文するにしても、どんな染料が使われているか、繊維が使われているか、どんどん質問していきます。そして最良のものを探します。
ハセベ
革命を起こすことをまず考えて、それからビジネスを成功させようとしているわけですね。感動しました。普通の企業は逆ですよね。もっと他の企業もそうなってほしいと思う。他の企業についてどう見ていますか?
シュイナード
禅の話みたいになりますけどね、的に当てようとしすぎるとダメなんですよ。利益のことばかり考えているとかえって利益は上がらない。重要なのは的に当てるプロセス。その結果として利益がついてくる。パタゴニアの場合、よりグリーンな、環境に気を使う会社になればなるほど、利益がついてきている状態です。
ハセベ
ぼくも日本でNPOをやっているんですが、正直なかなか資金繰りが厳しいです。でも今のお話を伺って自分は間違ってないなと思いました。シュイナードさんにも苦しい時期やくじけてしまいそうな時期というのはありましたか?
シュイナード
何度もあります。何度も何度も。私が一番苦戦していた時代は通常のビジネスのやり方でビジネスをしていた時期でした。ビジネスマンになろうと思ったことはないんです、私は元来職人ですからね。手でモノをつくるのが天性なんですよ。ビジネスマンについては今でもリスペクトする気はないんです。作ったものを売る仕事をしていてあるとき気がついたら、ビジネスマンにもなっていたというところです。で、以前はマニュアルどおりにビジネスをしていたんですが、それが指し示すものは決して私がやりたいことじゃなかったんです。ルールを破って自分がやりたいようにやるようになってから、うまくいきだしたんです。自分のやり方でプレーするのがとても重要で、他人のゲームをプレイしようとすると負けてしまう。自分のやり方、独自のやり方でやっていかないとダメなんですよ。
ハセベ
ロックンロールですね!環境に対しての意識はとても上がってきていると思うんです。とはいえまだまだですが。たとえば今CO2削減についてもいろいろはじまっている。でも取り掛かろうという雰囲気づくりがなかなかできていない。
シュイナード
私はとても悲観的な人間です。問題の解決は不可能だと思っています。問題があることを大概の人はわかっています、でも自分のライフスタイルを変えてまで問題も解決しようとはしていません。人は暴力的で破壊的で、消費は環境を破壊しています。でも消費傾向が抑制されると経済が崩壊してしまいます。私はこの問題に対する答えはないと思っています。だから自分ができることをやるしかない。もしかしたらこれは人類の終わりということなのかもしれません。私自身はできることをしているのでハッピーですけどね。ずっと危険なスポーツをやってきて死ぬのは怖くないし、もしかしたら人類は滅亡したほうがいいんじゃないかとすら思います。だから言えるのは普通のやり方で自分ができることをやっていくことです。ライターなら書くこと、スピーカーなら話すこと。私自身は環境活動の戦士として働くことはできない。やれば人を殺してしまうかもしれないですしね(笑)。私にできるのは、この会社を経営して、みんなで活動することで力を持ち影響を与えることだと思っているわけです。
ハセベ
今日はとても勇気づけられ元気になりました。血が騒ぎました。ありがとうございます。
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