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ハセベ:
子供のころから「MOMINOKI HOUSE」は知っています。スティービー・ワンダーやデビッド・ボウイが来る店ってことでも有名ですが、ちゃんと食べにも来ています。でもマクロビオティックについてはまるでシロウトなんですよ。もともと、僕は当たり前のことを当たり前にやる、というのを基本に考えてるだけで、知識も経験もないしエコロジストなんてまだまだとても言えない。今日は大先輩の筋金入りエコロジストの山田さんにいろいろと教えてもらおうと思って来たんです。そもそも、山田さんがマクロビオティックに出会ってこの店を出された経緯はどんな感じだったんですか?
山田:
料理人を目指して18歳からフレンチの勉強をしていたんです。東京、アメリカ、ヨーロッパって修業して回って、西洋の料理を作り食べていた。そうすると体がだんだんきつくなってきたんですね。このままじゃ病気になる。食べているものがよくないんだ。と体が感じてくれた。じゃあ理想的な食べ物とはなんなんだろう。自分なりに試行錯誤しました。その後日本に帰ってきたんですが、東京で出会った英国人にランチに招待されてびっくりした。玄米とひじきなんですよ。ワカメの味噌汁に野菜、カルチャーショックを受けましたよ。それがマクロビオティックとの出会いです。それで、マクロビオティックの協会である日本CI協会の料理学校で勉強しました。日本の食文化を身につけていなければ、大きな視野で世界の食文化を見る原点を持つことができないと実感しました。そして協会がやっている料理教室の講師になりました。そのころに、この店を出したんです。28年になりますか。
ハセベ:
食について、どういうふうに山田さんはお考えなんですか?
山田:
「食べるものが体をつくる」、"You are what you eat"というコンセプトを、ライフスタイルの原点と考えています。そして、日本人の体にとって1番いい食材をしかるべく料理をして出す。日本人は欧米人と較べると腸が1・5倍も長いんです。肉食にはむかないんですよ。何しろ一万年前から農耕してきた民族ですからね。日本人にとっては穀物、それも玄米が一番進化した、いちばんニュートラルな食べ物なんですね。それを主食にして、オーガニックに作られた季節の野菜を食べる。土地で採れたものを食べる、つまり身土不二。そして一物全体、精製したり皮を剥いたりしないで、素材をまるごと調理すること。不自然な添加物や料理法は、人間の体と心に無理をきたします。東京はとっても豊かだと思うんですよ。世界の都市の中でもまだまだ清潔で安全な都市です。でも、世界一自殺者が多いんです。なにかおかしくなっています。マクロビオティックの創始者の桜沢如一という方は思想家でもあるんですが、反戦を唱えていました。正しい食事は人を争いごとから遠ざけるのです。
ハセベ:
原宿という場所にお店を出したのはどうしてなんですか?
山田:
ロンドンから戻ってくるときに、日本人でやはりファッションの修業に来ていた友人に、日本に届け物を頼まれたんです。その相手が、BATSUの松本瑠樹さんだった。そのころは原宿にファッション系のメーカーなどが集まり始めていたころで、まだまだ閑静な感じで、それでいておしゃれで、いいなあと思いました。憧れの場所ってところですね。そのころはまだファストフード店なんかもない時代ですからね。
ハセベ:
このお店もおしゃれですもんね。ファッショナブルであるというのは大事なことですよね。自然食というと、その昔は何かこうお説教くさいというか、宗教めいたそんな感じがしたもんですが、「MOMINOKI
HOUSE」は全然違う。かっこいいが常に入り口だとぼくは思ってるんですよね。
山田:
たしかにこの手の店は、当時どっちかというと暗い感じがしてましたからね。まあ人間は楽しむために生まれてきたんだと思ってますからね。地球をデザインすることですよね。楽しむ場所としての地球を。日本は食糧自給率が40%を切っていて、本当、危機的なんですよ。フランスなんかでは子供への食育がちゃんとしています。農業に対してもずっと身近です。生産から流通、そして料理。食はその全体を知らなくてはいけませんよね。私はCITY農園を提案したことがあるんですよ、廃校になった中学校の跡地に。ニューヨークなどでは農園があるんですよ、ホームレスの人が自分たちの食料にもなるということで農作業をやってるんです。20年も前から。
ハセベ:
渋谷区でも、ぜひそういう意味での深い食育をちゃんとやっていきたいですねえ。給食なども、マクロビオティックやオーガニックの考え方を取り入れたりしたいものですね。東京でも、実際に地のものを学校給食の食材にするという活動があると聞きますし。残念ながら渋谷区産は今のところほとんど期待できないですが、渋谷区にある会社がやっているエコファームは千葉にあったりしますからね。
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