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ハセベ:
表参道の掃除をはじめて、頑張ってもゴミを拾ってるだけじゃらちがあかない。たくさんの人にアピールするにはどうしたらいいか、って考えて、それでメッセージを作って発信していこうと考えた。それが「green
bird」の活動の最初だったわけです。それで、広告代理店時代以来のおつきあいがあるCMプランナーでクリエイティヴ・ディレクターでコピーライターの「世界の」中村聖子さんと、広告の仕事を一緒にやってきた、今一番寝ていない売れっ子アート・ディレクターでイラストレーターの寄藤文平さんと相談して、名称とシンボルマークを考えたんですね。
聖子:
電話で頼まれて、軽い気持ちでやろうと思ったんだけれどハセベさん、厳しい厳しい。どんどんダメ出されちゃうんですよ。なんだか仕事のときより厳しい感じなんですよ。
ハセベ:
やっぱり本当に伝わるのかどうか、って難しいじゃないですか、こういうことは。
聖子:
最初は、「ゴミコップ」とか出てたのよね。「ゴミレンジャー」とか。
ハセベ:
「green bird」という名前もけっこう最初のほうで出ていた。まあ、やっぱりこれかな、とは思ってたんだけど、いろいろ検討しましたね。結局、やっぱり「green
bird」に落ち着いて。それで文平にキャラクターお願いしたんですね。
文平:
ぼくは「ゴミコップ」っていうの、いまはじめて聞いた。それ面白かったのに(笑)。最初はアヒルのイメージだったんですよね。アヒルは害虫とかを食べてしまう鳥だし。でもなかなかこうデザイン的に決まらなくて。ちょっとかわいくなりすぎたり。
ハセベ:
でも鳥人間のイメージも最初からちょっと描いてたよね、隅っこに。
文平:
そう。僕の中では一度ボツにしてたんです。鳥人間の羽の処理が絵的にうまくいかないと思ったから。普通の手にしたらうまくできましたね。人のかたちにしたのは、よかった。あれで、ただのシンボルマークというより動けるキャラクターになってくれました。
ハセベ:
それに、文平のアイデアで男の子と女の子と作ったんだよね。あれもよかった。で、最初は旗にデザインして、それが表参道にひるがえったと。それからポストカードを作ったんですよね。ポストカードはまず聖子さんにコピーをいろいろ出してもらって、それからいろいろと選んで、文平にイラストとデザインをしてもらうという段取り。
聖子:
コピーのほうもとにかくダメが出るんですよ。すごく厳しいクライアント。そもそも難しいじゃないですか、押し付けがましくしたら誰も読んでくれないし。かといってきちんと言わなければいけないことは妥協できない。
ハセベ:
そこのところなんですよね。何しろ当たり前のことじゃない、ゴミを捨てないなんてことは。
聖子:
そうそう。ごく当然のことをアピールしているわけだから。だからこそ、細かい言葉遣いや「てにをは」にもこだわらないと、ダメなんですよね。
ハセベ:
楽しいものにはしなくちゃいけないけれど、ふざけすぎちゃいけないしね。
聖子:
もともとふざけたりしているわけじゃないしね。自分たちも楽しいし人が見ても楽しいけれど、ちゃんと伝えるべきことがしっかりと入っている。そのへんの加減が難しい。
文平:
広告とは違うしね。意見広告なんかは、ちょっと上の立場からある程度押し付けっぽくなっても、それが良いという部分もあるけれど、このポストカードは同じ立場で伝わらないと意味ないし。あんまりかっこつけた感じになりすぎると、逆効果だし。
ハセベ:
そのへんはやっぱり文平のデザインでずいぶんと助かっているよね。今後もこのポストカードシリーズはずっと作りつづけますから。
文平:
レイアウトなんかも広告じゃ絶対やらないようなものにしたりね。雑誌の表4に「green bird」載せた時も、なるべく広告らしくない、すごく中途半端な感じにした。ぜったいありえない、妙に間があいていたり。
聖子:
私もどんなのができあがってくるのか、とても楽しみなんですよ、いつも。
ハセベ:
たまにはイラストが先でコピーがあとっていうのも面白いかもね。
聖子:
それ面白いかも。
文平:
本気? じゃ今度描いてきますよ。
ハセベ:
あ、いいね。やってみようよ。 何よりも、やっているほうが楽しくないと、人なんて集まってこない。「green bird」、はじめたころの熱気がいつまでも醒めないのは、みんなが楽しむこの姿勢があるからだ。伝えることのプロたちが、知恵をしぼって街を社会を刺激しつづける。そのことは確実に時代を変えていくことだろう。
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