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ハセベ
福岡に行ってきたんですよ。サラリーマン時代に1年間、赴任していたことがあるんですが、今回は福岡市で「green bird」の活動をはじめようとしている人たちがいるんで彼らと会ってきたんです。「福岡マスコミ会」というのがあって、マスコミ関係の仕事をしている若い人たちの横のつながりが盛んなんですよね、福岡は。で、彼らが自分たちが住んでいる街に何か貢献したいってことで。ぼくは直接はその会には入っていなかったんですが、「green
bird」のことを知っていてくれたんです。
鳥越
東京以外でハセベさんたちの運動に賛同して動き出すっていうのははじめてですよね。九州のことばで「のぼせもん」というのですが、お調子者、というような意味です。いい意味でもわるい意味でも使うんですが、前向きな県人気質ですね。のぼせもんが多いから、おおええやないか、やったろうか、という感じになる。
ハセベ
人と人とがすごくコミュニケーションしている感じがするんですよ、東京より。
鳥越
逆にいうと、東京が特別なのかもしれないですね。ぼくは九州は独立国だと思ってるんですよ。福岡はその首都。福岡で育った人は東京や大阪に出て行くというよりは福岡に残る。九州各地から福岡にやってきますしね。
ハセベ
意外に地方行政のほうが環境のプログラムが進んでいるところが多いんですよね。水に対する考え方とか。
鳥越
福岡市はずっと渇水で悩んできてますからね。
ハセベ
水俣市などは、公害が過去にあったこともあり、ゴミの分別収集などは非常に進んでいるんです。
鳥越
NPOやNGO、そのほか共同体のための活動なんていうものは必要があるから生まれるんです。「green bird」の活動にしてもね。必要なところからものを作り出す。表参道のポイ捨てをこのままほうっておいたら大変なことになる。だからやりだす。昔は、環境問題という言葉はほとんど使わなかった。公害という言葉で問題を考えていた。時代が変わって環境という言葉で取り上げられるようになり、そういうことに気がつく若い人が増えてきたのは、ぼくはすごく嬉しいことだと思ってます。正直なところ、若い奴は贅沢な豊かさのなかで何も気がつかずに遊んでいる、将来痛い目にあうぞ、なんて思っていたんですが、あなた方のように自分たちで感じて、動き出す、メッセージを発する人たちが出てきた。これはほんとうにこの5年くらいのことですよ。
ハセベ
鳥越さんも世の中にメッセージを発してきたわけですよね。
鳥越
大それた気持でやってきたわけじゃないんです。ただ、自分が書いた記事に対してレスポンスがかえってくる。それで気がつかされたんですよ。それで調べたり取材してね。
ハセベ
ぼくたちも大それた気持でやってるわけじゃないです。ファッションみたいになっていて、そこから入ってくる人も多い。でもそれはぜんぜん悪いことじゃない。
鳥越
悪いことじゃない。環境って結局、俺たちのことじゃない、他人事じゃなくて。そう気がつくのが大事なんだから。
ハセベ
損するのは自分たちだし、自分たちの子孫なんだし。
鳥越
若いころは目の前が楽しければいいって、先のことは考えないものですよ。選挙も行かないし。でも、日本も時代が変わってきて、やばいぞ、っていうインパクトが出てきた。若い人が気がついてきた。とはいっても、やはりハセベさんみたいに積極的に動く人というのはやはり早いですよ。時代を先取りしている。ぼくはそういう人たちはカナリアだと思ってるんです。時代に対する勘が鋭い。いち早く感じてくれる。
ハセベ
毒ガスなどを先に感じて騒ぐ奴だと(笑)。
鳥越
そうそう。そうやって感度のいい人がいろいろなところで渦を作っていく。今回福岡でも渦が起きつつあるようにね。こういう時代ですから必要性を感じ取れるカナリアたちは全国にたくさん出てくるんじゃないかと思います。
ハセベ
確かに、体で感じたことというのは強いですよね。それを言葉や理屈にしようとすると、かえってその感性と離れてしまうのが難しいところですけれど。
鳥越
理屈で入ってもダメなんですよね。勘だったり、感性だったり、体で確かに感じているということが大事なんですよ。ぼくたちの若いころ、学生は一生懸命勉強して、理屈から入った頭でっかちな学生運動をやっていました。みんな必死でしたけれど、結局それは理屈にすぎなかった。体で感じていなかったんです。それじゃあ長続きしないんですよ。ハセベさんたちも焦らず、感性に根ざした運動を続けていってほしいですね。
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