volume 86 (『ソトコト』 2010年12月号掲載)
今回の対談のお相手は、「ランガール」プロデューサーの宇田川佳子さん。 宇田川さんは、女性だけのマラソン大会「ランガール★ナイト」を主催した仕掛人。 さて、「ランガール★ナイト」とは一体……!?

 9月4日にお台場で開催されたマラソン大会「ランガール★ナイト」。これは主催者も参加者も女性だけという、女性による女性のためのマラソン大会だ。大会は、日焼けに気を使って16時からスタート。また会場内には、アロママッサージや託児所も完備され、大会後にはファッションショー「ランガールコレクション」やパーティもあり……と、今までマラソン大会のイメージを大きく覆すものになった。そして大会を主催したのは、一般の女性ランナーたちだったから驚き!
 そこで、今回は主催者である宇田川佳子さんに取材。「毎週ランガールたちが集まって打ち合わせをしていた」という東京・千駄ヶ谷のグッドモーニングカフェで、お話を伺いました!

ハセベ
「ランガール★ナイト」、お疲れさまでした。大成功でしたね!
宇田川
今回グリーンバードにも、メイン会場やコースのお掃除でご協力いただいたんですよね。ありがとうがとうございました!
ハセベ
宇田川さんはなぜ女性のためのマラソン大会「ランガール★ナイト」を開催しようと思ったんですか?
宇田川
私はファッションのPRの仕事をしているのですが、5年前に友人にマラソン大会に誘われたのをきっかけに走りはじめました。でも、実際に大会に参加してみると、男性ばかりで、更衣室は狭いし参加賞はダサいし……。で、今、走る人がさらに多くなって、おしゃれなランニングウェアが増えたり皇居前にシャワー施設が増えたり、ランニングをとりまく環境が変化している。女性が走る目的も、速さだけでなく美容や健康のためなど多様化している。なのにマラソン大会だけが未だに男臭くて変わらないんですよ。女性が満足できる大会はないのか、とランナー友達と話すうちに、だったら自分たちでつくろう! と思いついたのがきっかけです。
ハセベ
いきなり大会とは(笑)。しかも半年くらいで実現させたんだよね。
宇田川
企画を思いついたのが今年の2月。最初は来年の夏にやりたいねって話していたんです。でも仲間の一人にマラソン大会主催の経験者がいて「絶対に今年できる」と言ったんです。あと、私ともう一人の発起人が寅年生まれだったので「寅年生まれがつくるんだから、寅年の今年にやろう」と盛り上がって、急遽今年の夏になったんです。とはいえ、半年しかないし、資金もなく、何から始めたら良いかわからない。そこでまず、影響力のある女性ランナーたちを集めよう思い、いろんな人に「力を貸していただけませんか」とメールを送りました。そうしたらモデルやアナウンサー、エディターなど様々な業界の女性が15人集まったんです! で、じゃあ次に資金やコースは、となった時に、表参道はどうかと思い、ハセベさんを紹介してもらって会いに行ったんです。

ランニングを通じて社会貢献。

ハセベ
そう、数人の女性たちがハイテンションで「大会を開きたいんです」と来て、驚いたよ(笑)。
宇田川
で、コースをとるのはそんなに簡単じゃないと教えてもらったんですよね……。
ハセベ
でもそのパワーに、この人たちならできるんじゃないかと圧倒されたよ。そして本当に実現したからすごい。苦労したことは?
宇田川
大変だったのは資金集め。ノウハウもないのですべて手探りでした。まず今年2月に東京ビッグサイトで行われた「東京マラソンEXPO」に全員で行き、そこに出展していたスポーツメーカーに企画書を渡したんです。その段階では開催場所も何も決まってなかったけど、こんな大会をしたいと意志だけ書いて、全ブースに配ったり。
ハセベ
ベタだけど、大事なのはやっぱり熱意なんだろうね。そういう情熱を最近忘れてたな、って今回のことで刺激を受けたよ。
ハセベ
当日は約500人が参加して、すごく華やかだったんだよね。参加賞もおしゃれで、日本のスポーツ大会において大きな成功事例をつくったと思うよ。
宇田川
今回は5キロと10キロという2種目を用意したのですが、両方ともエントリー開始後すぐに定員になったんです。しかも当日は20~30代女性を中心におしゃれなランナーがたくさん集まって嬉しかった!
ハセベ
成功の秘訣は何だったと?
宇田川
私たちがボランティアで、営利目的ではなかったからかな。あと、ツイッターで大会ができるまでの過程をつぶやいていたのですが、一般市民ランナーが大会をつくるというのはまずないので、多くの人に共感してもらえたのでは。それからツイッターがきっかけで、CSR担当者が私たちに興味をもち、特別協賛をいただけた企業もありました。
ハセベ
何のしがらみもなかったから、純粋にやりたいことを貫くことができたんだろうね。今後の目標は?
宇田川
女性とランニングという観点を通じていろいろ活動していきたいですね。例えば、マラソンはシンプルな動きだからこそ、少しでも体調が悪いとすぐに体の異変に気づき、体や病気と向き合うきっかけになるんです。なので今大会では、乳がんと子宮がんを啓蒙する団体に、エントリーフィーの10%を寄付したり。今後は様々な社会問題を提起していきたいです。
ハセベ
「ランナーがいる街は綺麗になる」と言う視点で、走り終わったあとに毎回みんなで掃除をしてもいいね。なんだか楽しそうだなあ、男も参加したいよ!
宇田川
今までとは違う視点の大会をつくりたいだけで、男性を排除しているわけじゃないんですよ(笑)。でも今大会ではママランナーを応援するために託児所もつくったのですが、ママたちが楽しめるのは男性の協力があってこそだと感じました。今後は男性視点でも何か考えたい。今後も期待を裏切る大会を開いていきたいです!
●うだがわ・よしこ
「ランガール」を主宰するフリーランスPR。9月4日に行われた女子のためのマラソン大会「ランガール★ナイト」のプロデューサーを務めた。ファッション業界のランナー代表として女性誌の取材も多数。東京マラソン2度完走。トレーニングは週3日のランニングとスイミング。http://www.rungirl.jp/
●ハセベ ケン
渋谷区議会議員、NPO法人green bird代表。
1972年3月東京都渋谷区神宮前に生まれる。専修大学商学部卒業。2002年に広告代理店(株)博報堂を退社。その後、ゴミ問題に関するNPO法人green birdを2003年1月に設立。原宿・表参道を中心にゴミのポイ捨てに関するプロモーション活動を開始する。2003年4月に渋谷区議に当選。現在、渋谷区議会議員・無所属。
ハセベケン事務所ホームページ