volume 70 (『ソトコト』 2009年8月号掲載)
今回の対談のお相手は、総合スポーツ専門店
『オッシュマンズ・ジャパン』の3代目社長・金子喜淸さん。
これまでの金子さんの経歴から、スポーツを通した地球との
関わり方や、ゴミ拾い活動が企業にもたらす影響など、
様々なことを語っていただきました。

 オッシュマンズ原宿店のイベントで知り合った金子喜淸さんとハセベケン。ゴミ拾いを通して意気投合し、現在では吉祥寺店のスタッフとグリーンバードで、吉祥寺の街を一緒に掃除する仲間に。また、活動の援助やオリジナルTシャツの製作など、オッシュマンズ・ジャパンとしても全面的にグリーンバードをサポートをしてくれています。さて、そんな金子さんがスポーツとエコの取り組みをはじめた経緯は?

ハセベ
いつも掃除にご協力いただきありがとうございます!
金子
グリーンバードとのつき合いは、原宿店の20周年記念イベントで一緒に掃除をしたのが始まりですね。その後、うちが吉祥寺に進出したのをきっかけに、吉祥寺支部と掃除を行うようになったんです。そうそう、最近千葉にお店を出したので、千葉支部とも今後一緒に掃除ができればと考えています。
ハセベ
ぜひよろしくお願いします。まずは、金子さんはどういう経緯でこの仕事に就いたのか教えてください?
金子
僕はもともとイトーヨーカドーの企画部にいて、企業の業態プランを作る仕事をしていました。それで35年前にマーケットを調査していたら、今後「健康・スポーツ」のジャンルが伸びると感じ、フィットネスジムかスポーツ専門店の事業展開を企画したんです。当時フィットネスジムはほとんどなかったので興味があったのですが、ボツになって。代わりにスポーツ専門店の企画が通り、当時アメリカで2番目に大きいスポーツ専門店のオッシュマンズと提携することになりました。
ハセベ
なぜアメリカの企業と提携しようと?
金子
今の世代は違うかもしれませんが、僕たちの子供のころは、アメリカの文化や商品に憧れを抱く人が多かった。そして、これは今もそうですが、スポーツウェアやグッズの技術開発力が一番高いのはアメリカなんです。しかも、当時アメリカの個人競技にこだわったスポーツ店はなかったため、これなら差別化ができるし、成功すると思ったんです。

グリーンバードの効果

ハセベ
確かに! 僕らの一回り上の世代は、アメリカの文化ってすごく好きですよね。サーフィンにハマッている人も多かった。それでその後は?
金子
提携した時点で、本来なら僕の仕事は終わりですが、もともとスポーツが好きだったので、どうしても事業に関わりたくて。そこで、創業と同時にオッシュマンズに移り、管理責任者として仕事をはじめました。
ハセベ
1号店を原宿に構えたのはどういう経緯なんですか?
金子
当時は新宿、渋谷が2大エリアで、正直に言うと最初は渋谷を希望したのですが、家賃が高くて。それで、新宿と渋谷の中間にある原宿なら、人が来てくれるのではないかと思ったんです。そして駅前の今の場所に目をつけました。当時すでに他の店舗が入っていましたが、「ここを借りたい」と思って。素人だったので、いきなり店に飛び込んで店長に「この場所を借りたいんですが」と言いました(笑)。それで、たまたま縁があってとんとん拍子に決まったんです。
ハセベ
でも25年前の原宿って今と雰囲気が全く違いましたよね。
金子
そう。竹下通りが少しずつ人気が出てきたころで。それ以外はお店もほとんどなくて、駅前も店が8時くらいに閉まるので全体的に暗い街だった。だから、駅前なのに家賃が安くて良かったけれど、最初はぜんぜん人が入らなかったですね(笑)。
ハセベ
金子さんがゴミ拾いに興味を持ったきっかけは?
金子
当社では以前からサーフィンのイベントや大会を開催しているのですが、海が汚れていたり、海岸線にゴミが落ちているのを目の当たりにして。スポーツをするうちに自然と地球に感謝したいという気持ちが芽生えてきたんです。やはり、スポーツは地球に遊ばせてもらうことですから。そこで、イベント後のゴミ拾い活動をはじめました。その延長線上で、お店のある街でもゴミ拾いをしようと考え、グリーンバードとご縁あって、一緒に活動させてもらうようになったわけです。
ハセベ
実際にゴミ拾いをやってみてどうでしたか?
金子
不思議なことに、ゴミを拾っていると街の人に感謝されるんですよ。しかも、掃除をした日は「掃除してくれてありがとう」と、買い物をしてくれるお客様が増える。実は、吉祥寺店はゴミ拾いを始めてから売り上げが上がったんですよ。
ハセベ
本当ですか! それは嬉しいなあ。
金子
うちはチェーンストアなので、新しい街に進出していく。きっと僕らがゴミを拾うことで、街の人に「このお店は街のために良いことをしてくれる」と思われて、よそ者から地元の仲間へと認められるんでしょうね。もちろん、たまたま効果があっただけかもしれませんが。
ハセベ
僕はそういう効果が企業に出ることを期待していたので、本当に嬉しいです。これからもどんどん続けて、企業とグリーンバードが一緒に成長していければと思っています。
金子
そう、続けることが大切なんですよね。社会的な活動を行うことで、企業の姿勢を外に表現できる。そして、それに賛同するお客様が増え、結果的に企業側に返ってくる……。だから、今後も新しく店舗を出すごとに一緒に活動をしたいです。
ハセベ
もちろんです! 今後、僕たちの活動に参加してくれる企業同士で、連携するのも情報交換になって面白いかもしれません。
金子
ゴミ拾いをきっかけに多くの人と出会いたいですね。グリーンバードと、スポーツイベントとゴミ拾い、のようなコラボイベントを一緒にできればと考えています。そしていろいろな異業種の方々と意見を交換して、お互いを相乗効果で高めあっていければ素敵だと思います。
●かねこ・よしきよ
オッシュマンズ・ジャパン代表取締役社長。イトーヨーカドーを経て、1984年、米国テキサス州ヒューストンに本部を持つOSHMAN'S SPORTING GOODS INC.と業務提携を担当し、1985年7月に東京・原宿でオッシュマンズ・ジャパン1号店の進出に成功。2003年に3代目の代表取締役社長に就任。http://www.oshmans.co.jp/
●ハセベ ケン
渋谷区議会議員、NPO法人green bird代表。
1972年3月東京都渋谷区神宮前に生まれる。専修大学商学部卒業。2002年に広告代理店(株)博報堂を退社。その後、ゴミ問題に関するNPO法人green birdを2003年1月に設立。原宿・表参道を中心にゴミのポイ捨てに関するプロモーション活動を開始する。2003年4月に渋谷区議に当選。現在、渋谷区議会議員・無所属。
ハセベケン事務所ホームページ