volume 57 (『ソトコト』 2008年8月号掲載)
パリの街でもごみ拾い! 関口良和×ハセベケン
今回の対談のお相手は、V6の三宅健さん。
押しつけではなく態度で示すエコが、最高にかっこいい。
グリーンバードのゴミ拾いにも
参加している三宅さんのエコ論は、必読です。

 三宅健さんとハセベケンが出会ったきっかけは、なんと数年前に三宅さんが「ネットで調べて」自主的にグリーンバードのゴミ拾いに参加したこと。それが縁で、今もハセベケンとのつき合いが続いている。今回は、自然体でエコなことを実践している三宅さんが、エコに興味を持ったきっかけ、メディアで伝えていきたいこと、個人として続けていきたいことなどについて、語ってくれました。

ハセベ
三宅君とぼくの出会いは、三宅君が突然、グリーンバードの掃除に来てくれたことだったよね。そもそもグリーンバードに参加したきっかけは?
三宅
10代の頃からネイティブアメリカンの「自然と共にある」という考え方がすごく好きだったんです。だから、ポイ捨てする人が好きじゃなかったし、ゴミの分別もしていました。地球環境にマイナスになることはあまりしていなかったと思んです。でも「プラスになることはしていないな」と思って。ちょうどその頃、自分のラジオ番組を始めることになって、始めるにあたって、もっと自分の言葉に説得力を持ちたかった。それで「自分が説得力に欠けるのは、人のためになることをしていないからだ」と思い、友人がよく行っていた掃除のことが気になって、ネットで調べたらそれがグリーンバードだったんです。「誰でも参加できる」って書いてあったから行ったんですよ。
ハセベ
僕らとしては、V6の三宅君がいきなり来るなんで信じられなくて、びっくりしたんだよね。その後、何度も来てくれたのも、うれしかった。
三宅
グリーンバードに参加するまで、2時間ゴミを拾うためだけに歩いたことなんてなかったから、ゴミ拾いはすごく衝撃的でした。普段通る道でも、下ばかり見て歩くことはないから、あんなにたくさんゴミが落ちているなんて気づかなかった。あれだけゴミが落ちていて「ああ汚いな」と思ったし、それだけ捨てる人がいるんだと分かってショックでした。その後も単純に楽しかったから、参加しました。
ハセベ
以前、三宅君は環境問題に対して「自分が何をしたらいいのかわからない」って悩んでた時期があったって言ってたよね。でも、その後「自分の立場でできることをやればいいや」って変わったよね? どう気持ちが変化したの?
三宅
僕は自分が感じたことは、自分だけのものにしていたいタイプで、雑誌とかで自分が感じたことや考えを話すのは、あまり好きじゃなかったんです。すべてをさらけ出したくない、すべてが見えるのはかっこよくない、と思っていたのかもしれない。でも、こういう仕事をしていて、せっかく伝える場所があるなら多くの人に「いいこと」を伝えられたらいい、と思うようになったんです。それで、少しずつですがゴミ拾いのこととかを話すようになりました。

態度で示すエコ

ハセベ
少しずつ、といってもグリーンバード的にはすごく大きな効果が出ていて、今では毎回、ゴミ拾いに三宅君のファンが来てるよ。友達を誘ってくる子もいるし、継続する子もいる。新しい層が環境に興味を持つきっかけになっているし、どんどんやってほしいな。
三宅
僕がやっているラジオ番組で環境のことを話したのを聞いて、大学の専攻に環境学を選んだという子もいました。ただ難しいのは、言い過ぎないようにすること。僕自身が徹底して全てに対してエコかといったらそうでもないし、電気も使っているし、携帯もパソコンもないと困るじゃないですか。徹底するのは、それはそれですごいことだと思うけれど、無理してストレスに感じてやると、絶対長続きしないと思うから、個人レベルでできることをやるのが一番だと思います。僕はエコなことはやったほうがいいと思っているけど、強制するとエコがエゴになると思うから、それはしたくないですね。
ハセベ
ところでこの対談のタイトルは希望のレシピ、というんだけど、三宅君が最近、希望の兆しを感じた出来事はある?
三宅
今やっている舞台の稽古場と劇場で、自分の名前を入れずに「ペットボトルのキャップを800個集めたらワクチン1本になります」と紙に書いて貼り、分別用の入れものを置いたんです。最初はみんなやっていなかったけれど、今はたくさん溜まってきています。特に「入れてくださいね」と呼びかけもしなかったし、僕がやったのを知らない人もいるのに、ですよ。ほかにも、僕がマイ箸を持っているのを見た友達が、その数週間後に会った時にマイ箸を買っていたりして、少しずつ派生しているんだな、とは感じます。僕は「エコをやったほうがいいよ」と、人に絶対言いたくないんですよ。伝えたいなら態度で示せばいい。
ハセベ
うん、それすごくかっこいいと思う。
三宅
あと、最近、環境問題に関することで聞いて何よりもショックだったのは、知り合いのお子さんと、その周りの子供たちの夢が「大人になること」だという話。環境の危機ばかり叫ばれているから、子どもたちはすぐに地球は終わってしまって、自分たちは大人になれないと思っているんです。
ハセベ
そういう子どもたちに希望を感じさせるレシピを1つ、考えようよ。
三宅
楽しくできるのがいいですよね。植林とかいいと思います。自分たちが植えた木が大きくなって、それが地球を助けてくれるのが目に見えて分かるし、ハッピーになれるじゃないですか。
ハセベ
今僕がやっている「+1キャンペーン」で、渋谷区内のいろんなところに木を3本植えて「森」をつくって、それぞれの「森」のオーナーを募集しようとしているんだ。何か一緒にできたらいいね!
三宅
はい! 前からハセベさんと話してきた「きっかけづくり」を一緒にできればと思っています。
 
●みやけ・けん
アーティストV6のメンバー。ジャニーズ事務所に所属。1995年のデビュー以来、音楽活動のみならずバラエティ番組、ドラマ、映画、舞台、ラジオまで、活動の幅を広げている。特にメインパーソナリティをつとめているbayfm78の「三宅健のラヂオ」(毎週月曜日24:00~24:30放送中)では、エコについてもフランクに語っており、人気を博している。
●ハセベ ケン
渋谷区議会議員、NPO法人green bird代表。
1972年3月東京都渋谷区神宮前に生まれる。専修大学商学部卒業。2002年に広告代理店(株)博報堂を退社。その後、ゴミ問題に関するNPO法人green birdを2003年1月に設立。原宿・表参道を中心にゴミのポイ捨てに関するプロモーション活動を開始する。2003年4月に渋谷区議に当選。現在、渋谷区議会議員・無所属。
ハセベケン事務所ホームページ