volume 57 (『ソトコト』 2008年7月号掲載)
パリの街でもごみ拾い! 関口良和×ハセベケン
今回の対談のお相手は、グリーンバード初の海外支部をフランス・パリで立ち上げ、軌道に乗せた立役者、グリーンバード・パリ初代リーダーの関口良和さん。どうやって仲間を集めたの? みんなの反応は? 今後の目標は? いろいろお聞きしました。

ハセベケンが広告代理店勤務時代に福岡で出会い、以来「一緒に面白いことをやろうよ」とたびたび盛り上がってきた友人・関口良和さん。勤務先の日本経済新聞社のフランス・パリ支社への転勤が決まったのをきっかけに、グリーンバード・パリ支部を立ち上げ、初の海外での活動をスタート。先月、パリでの勤務を終えて日本に帰国。さっそくお話をお聞きしました。

ハセベ
関口君はパリの初代リーダーをやって、この前パリから戻ってきたんだよね。そもそもの始まりは1年2か月前。事務所に来て「パリに行くことになった。グリーンバードを持って行っていいか」って言われて、海外でもいつかグリーンバードを立ち上げてみたかったし、関口君のことも信頼していたから「もちろんいいよ」と答えたんだよね。
関口
そうだっけ? それも言っていたけど、それより「海外の初のグリーンバードがパリって、かっこいいじゃん!」って言ってたよね(笑)。
ハセベ
そうだったかも(笑)。僕は「関口君が向こうで奮闘しているのがブログでアップされたら面白いな、こっちのみんなも勇気をもらうかな」と思ったんだ。関口君には悪いんだけど、ゴミを拾っていたら怒られたとか、そういう苦闘ぶりを期待していたというか。実際に、パリでやってみてどうだった?
関口
始めるにあたってフランス人の友達に相談したら、「フランスには掃除を仕事にしている人がいるから、彼らの職を奪うな、という話になって大変だと思う」と言われた。でも実際は、掃除している人の横でやっても「自分の仕事が楽になる」という程度で、とくにトラブルになることはなかったよ。でも最初は日本人の仲間を集めたので、「なんで東洋人が集まって掃除してんの?」って不思議に思われて(笑)。それから「僕らは今パリに住んでいて、自分の住む街をきれいにしたいんですよ」って説明したら納得してくれたけどね。現地の人の反応もそうだけど、パリの観光地を中心にやっていたから、観光に来ているアメリカ人などからの反応もよかったな。
ハセベ
それは嬉しいね。どんなゴミが目立った?
関口
一番多いのは日本と同じくタバコ。すごい汚いわけじゃないけれど、みんな普通にポイ捨てするし。駅の出入り口で切符が回収されないので、切符も多かった。あとは犬の糞。パリの人は歩きながら果物を食べるから、バナナの皮やリンゴの芯もあったな。でもパリには100メートルおきにゴミ箱がちゃんとあって、ゴミはすぐにグリーンの薄透明の袋が付いているゴミ箱に捨てられるようになっているんだ。

続けることに意味がある

ハセベ
パリ支部の活動ブログを毎日見ていたら、最初は2、3人でやってて「大丈夫かな」と思っていたんだけど、年が明けたら15人、20人に増えて、ほぼ1周年になる4月には26人が参加! 地味なことだけど、続けることの大切さってあるよね。やってみてよかったことは?
関口
パリに来たとき最初は「外国人」という立場だったのが、グリーンバードの活動を通じて主体的にパリの街と関わったことによって、旅行者、外国人というお客様じゃなくて「俺の街だから掃除するんだよ」という気持ちがこみ上げてきたこと。パリの街の主人公の一人になれた気がする。参加してくれている日本人はみんなそうじゃないかな。あと、普段は学校や仕事でしかつながりを持てない場合が多いんだけど、月1回のゴミ拾いを通じて、普段は知り合えないような、いろんな人と出会えて新たなコミュニケーションが生まれたのもよかったな。
ハセベ
そうか、パリがホームに感じられたんだ。ここで僕らが感じることと全く一緒なんだね。場所や国が変わっても関係ないんだ。
関口
そうだね。まだ、地元の人を巻き込むところまではいってないけど、まずはこの形で街に定着させることが大事かなと。それから、グリーンバードの、伝えやすいし、伝わりやすい「自分の住んでいる街をきれいにしたい」というコンセプトは、世界で通用すると分かったよ。どこに行っても、みんなに伝播できる力があると思う。
ハセベ
話を聞いていて、すごく元気が出てきちゃった。表参道で同級生と始めたことに、リーダーになりたいって、いろんな人がどんどん手を挙げてくれて、そのパワーが集まって日本全国に、そして海外にも広まったのはすごいなあ、素敵だなあと我ながら思っているよ。それで、パリは2代目に引き継いできたわけだから、次はどうするよ?
関口
外国の人にグリーンバードを広めていきたいね。
ハセベ
じゃあ関口君の新しい役職として「海外ネットワーク部長」と任命するから、どんどん海外でもグリーンバードを広めていってよ。
関口
いいですね。やりますよ!
●せきぐち・よしかず
グリーンバード・パリ初代リーダー/海外ネットワーク部長
1971年3月8日埼玉生まれ。94年早稲田大学政治経済学部卒。日本経済新聞社入社。98年西部支社(福岡)転勤、ハセベケンに出会う。2007年3月日経ヨーロッパ社パリ支社出向。同時にグリーンバード・パリを設立、初代リーダーとして活動開始。実家は酒屋、ワインアドバイザーの資格を持つ。今回の対談で、グリーンバード海外ネットワーク部長に任命される。
●ハセベ ケン
渋谷区議会議員、NPO法人green bird代表。
1972年3月東京都渋谷区神宮前に生まれる。専修大学商学部卒業。2002年に広告代理店(株)博報堂を退社。その後、ゴミ問題に関するNPO法人green birdを2003年1月に設立。原宿・表参道を中心にゴミのポイ捨てに関するプロモーション活動を開始する。2003年4月に渋谷区議に当選。現在、渋谷区議会議員・無所属。
ハセベケン事務所ホームページ