volume 55 (『ソトコト』 2008年5月号掲載)
エコやロハスは気にしない!? 有元くるみ×ハセベケン
家のガレージを大改造してつくった衣類と雑貨のお店『griot.』を主宰する有元くるみさん。好きなことを仕事にしながら、ちゃんと暮らす、彼女のライフスタイルに注目です!

神奈川県茅ヶ崎市で、旦那さん、子ども2人の家族と共に、自分にも、地球にも優しい暮らしを送る有元くるみさん。有元さんが環境のことを気にして行動するようになったきっかけや、自然体でエコなライフスタイルを楽しむ秘訣を、有元さんが主宰するお店『griot.』に行ってお伺いしてきました。

ハセベ
今、世の中には、環境問題について「何かしたいけど、何をしていいか分からないので、一歩が踏み出せない」という人がたくさんいる。でもこの前有元さんに会った時、環境のことを気にしてるけど、それをストイックにやっていない感じが、すごく自然でかっこよく見えたんです。
有元
考えすぎちゃうと何もできなくなるので、あまり堅く考えないで「毎日ちゃんと生きよう」と思いながら生活すればいいかな、と思っています。あまり特別に「自分の生活がエコやロハスだ」とか、気にしていないですね。本能的にそうなっている感じです。
ハセベ
なぜ茅ヶ崎に居を構えたのですか?
有元
細かい理由はいろいろだけど、サーフィンと海が好きなので湘南に住みたいという気持ちがあって、時々遊びに行くうちに湘南から東京へも仕事で通えることが分かって、思い切って引っ越しました。
ハセベ
なんだかとっても暮らしやすそうな街ですね。
有元
海の人たちはゆったりとしたペースで生活しているので、東京にいた頃より、自分のペースで暮らせるようになりましたね。
ハセベ
こっちに来てから、特に水に配慮した生活をしているとお聞きしているのですが。
有元
はい。そんな大げさなものではないですけど。環境問題に関心を持ち始めたのは実は小学生の頃からで、図書室で環境破壊についての絵本などをよく読んでいる子どもでした。12年前ここに住み始めてからは、日常的に海に接する中で、いっそう環境破壊による自然の変化を目の当たりにするようになったことや、周りの友達が環境に配慮する仕事や生活をしているのに影響を受けました。ここでの生活で、心に余裕ができたのも大きいかな。そうしているうちに「自分は海が好きだし、水と関わったりしている以上は大切にしなきゃ」と思うようになって、気づいたら、気の向くままに、自分のできることを自然に始めていたんです。
ハセベ
具体的にはどんなことを?
有元
やっぱり自分が使った排水をなるべく汚さないようにするっていうのが一番身近にできることで、そこから洗剤をなるべく使わない生活にして、洗剤を使う時はちゃんと分解するものにしました。シャンプーや漂白剤も全部替えて。
ハセベ
最初に水について「何かしなくちゃ」って始めて、そこから環境への意識がどんどん広がっていったんですね。
有元
そうですね。それから自分の体の中もいつもクリアにしたいと思って、添加物の入ったものを食べないようにしたりするようになりました。

手と頭を使う生活

ハセベ
日々の暮らしの中「これはしたほうがいい!」という工夫は何かありますか?
有元
うちは大工仕事をほとんど旦那がやってくれるんです。本当にお金をかけずに。お金があったら、それなりに買ったり揃えられるけど、お金がなかったり、使わないほうが、頭を使うじゃないですか。そういうのが楽しい。今いるこのお店も全部手造りで、大工さんに何かを造ってもらったものは一個もないんです。
ハセベ
ドイツ人みたい!
有元
ヨーロッパ人ってそうなんですよね。「自分はヨーロッパ人、ウフ」みたいな感じで、センスもお手本にしてやると楽しいですよ。それもあって、ここのお店には手仕事、手作りとか、手を使って作られたものが自然に集まっています。大量生産されてるものは置いてないですね。
ハセベ
普段の買い物はどうしているんですか?
有元
最近スーパーではなく、地元のお肉、野菜、お米とかが手に入る近所の市場に行くようになりました。体育館くらいの、わりと大きな市場なんだけど、そこに行くようになったら、遠くから運ばれてきたスーパーの品物に疑問を持つようになってきました。
ハセベ
素敵ですね!まさに地産地消。CO2の排出量も少なくて済むし。自分とペースの合う茅ヶ崎の街に来ていろいろ変わってきた、って感じなんですね。
有元
そうですね。だんだん1個ずつ、という感じで。
ハセベ
それが人から「有元くるみさんってエコだ、ロハスだ」と言われたりするのは、ぶっちゃけどうですか?
『griot.』
神奈川県茅ヶ崎市東海岸南1-14 -18
tel.0467-59-4862
http://www.griot-net.com/
有元
ぶっちゃけ、どうでもいい(笑)。言われるのは悪くはないですけどね(笑)。私は単に好きなことして、ちゃんと生きようと思っているだけですし。
ハセベ
僕も「ロハスな生活をしている人」って言われることがあるけど、平気で夜中まで仕事もするし、飲み明かすこともあるし。俺って本当にロハスか?と思っちゃう。結論は「まあいいか、無理なくエコな生活を楽しんでるし」なんだけど。今のエコやロハスが注目される現象をどう感じていますか?
有元
悪くはないと思います。でも、そういうものを見て満足して終わりじゃなくて、ちょっとでもいいから、できることは行動に移してもらえたら嬉しいですね。突然エコに目覚めるんじゃなくて、まずは、精神的に余裕のある生活を送ることから始まるんじゃないかな。夫婦や家族の仲がよくて、心に余裕があれば、そこからつながっていくと思うんですよね。
●ありもと・くるみ
デザイナー。
アパレルメーカーなどを経て自宅ガレージを改造してつくった衣類雑貨店『griot.』(グリオ)を主宰。料理研究家の有元葉子氏を母にもち、幼少の頃から料理や良質な物に親しんできた経験を持つ2児の母でもある。お店は再び自分たちで改装工事を行い4月中にリニューアルオープン予定。
●ハセベ ケン
渋谷区議会議員、NPO法人green bird代表。
1972年3月東京都渋谷区神宮前に生まれる。専修大学商学部卒業。2002年に広告代理店(株)博報堂を退社。その後、ゴミ問題に関するNPO法人green birdを2003年1月に設立。原宿・表参道を中心にゴミのポイ捨てに関するプロモーション活動を開始する。2003年4月に渋谷区議に当選。現在、渋谷区議会議員・無所属。
ハセベケン事務所ホームページ