volume 54 (『ソトコト』 2008年4月号掲載)
ヒップホップシーンのエコに注目! RYU×ハセベケン
日本のヒップホップシーンのパイオニア、RYUさん。最近は、深夜のラジオ番組でエコについて話すことも多い。そんなRYUさんが、グリーンバードとともに表参道を掃除し、ハセベケンと、エコ、ボランティア、子どもの未来について熱く語り合いました。

日本で生まれ、4歳で渡米、18歳までアメリカで育ったRYUさん。日本のヒップホップシーンでMCを始めたパイオニア的存在で、現在もラジオのDJやテレビ番組のナレーター、オンステージ同時通訳など幅広く活躍中だ。ナビゲーターを務める土曜深夜の『J-WAVE 81.3FM GOOD VIBEZ』では、環境問題について熱く語ることも。そんなRYUさんのたっての希望で、対談前に表参道の掃除に参加した。

RYU
今日は本当にいい経験をさせてもらいました。こういうことが普通であるべきだよね。理想としては、サラリーマンが朝会社に行く前にごみを拾ったり、午前中に時間が空いたら子どもとごみ拾いに行ったり、というのが普通になること。そんな日が来ると信じたいですね。
ハセベ
そうですね。ヒップホップシーンだとGAKU-MCさんがごみ拾いに来てくれています。「せっかくイベントを渋谷でやっているから、なじみたい」ということで。
RYU
俺もこれからも参加したいです。そもそも俺がエコエコ言い出したのは、子どもが生まれたのがきっかけ。単純に自分たちの子どもにも孫を見せたいという気持ちだけなんですよ。ネイティブアメリカンって、7世代先まで見越して今を生きてる。それはすごく当たってると思うの。だから俺としては立ち上がんなきゃいけないな、とすごく強く思って。遅いんですけど、今まで悪さしてた分、今はもうヒーターもあまりつけないし、袋の中にさらに個別包装されているお菓子は買わないし、ハイブリッドカーを使いこなしているし。
ハセベ
いいですね、それは。楽しみながらできている感じもするし。
RYU
7歳になる上の娘が「私、子ども産まない。地球がなくなるかもしれないし」って言ったの。本人がよく意味をわかってないにしても、これがショックだった。一番聞きたくなかったですね。俺が掃除しようと思ったのは、ぶっちゃけて言うと、全部子どもへの愛。それが一番のエコをやろうとするモチベーションなんです。
ハセベ
かっこいい。実は僕はそんな高尚じゃなくて、わりとやんちゃして、この街で育ったので「大人になってちょっとお返ししよう」というちょっとした気持ちなんです。僕はみんながもう少し社会に関わること、お返しできることをしたほうがいいと思うんですよ。ボランティアってそういう意味でいいと思うんです。

RYU的ボランティア

RYU
ただ、ボランティアといっても2種類あると思う。アメリカ人の中には、人に何も言わずに心からボランティアする人がいるんです。NFLのスーパースターが「こういうことをすると自分が幸せ」だから、土・日に奥さんと朝から晩まで老人ホームにいたりする。かたや高校生が大学に入るためのサービスポイント取得のためにやるボランティアもある。俺にとって今の日本のボランティアは、そのサービスポイントのイメージのほうが強い気がするんです。そうじゃなくて、自分から動かないとだめですよ。
ハセベ
以前面白いアンケートを見たのですが、ボランティアについて20代、30代の男女に聞いたら、2割が「ボランティアしたことがある」、2割が「興味がない、偽善だ」と嫌悪感を示し、あと残りの6割は「チャンスがあったらやってみたい」だったんです。僕は、わりと6割に近い感覚だったんですよね。だからグリーンバードでは、その6割の人たちが入りやすい雰囲気にすることを心がけています。「ボランティアというよりも朝の合コン」と言うと、それにつられてやってくる奴もいるし。実際に参加するといろいろ感じるんで、次も来るようになるんです。

RYU
分かる。ルールを決めたら面白くないもんね。みんな今日、楽しそうにやっていたし、入りやすい雰囲気は絶対大事だね。実際にやると、どれだけゴミが出ているかも体で分かるし。
ハセベ
それに、グリーンバードを通り道にいろんな環境活動を始める子がいるんですよ。
RYU
機会があれば始めるんだよね。押し付けちゃいけないんですよね。ハセベさんのように、自分のやっていることを見せるのが一番いい。
ハセベ
ヒップホップをやっている人って、地元への愛情が強いから、街の掃除ってぴったりはまるんじゃないですか。最近のグリーンバードの悩みは、いい子の団体になってきていることなんです。5年前に始めた頃は、僕は坊主にひげで、相棒は金髪にピアスで「何の罰ゲームですか」と言われるようなタイプが掃除していたんですね。最近ヒップホップやロックなにおいが足りない気がするので、注入していただけないでしょうか?
RYU
お任せください!やりますよ。ヒップホップやってる子は、見かけはおっかない奴が多いけど単純で素直。ピュアだから、意外にこういうことは喜んでやりますよ。俺とかZEEBRA、K DUB SHINEとかがステージ上で、みんなにごみ拾いさせるとかね。今のヒップホップは円山町という言葉に弱いから、渋谷の円山町でごみ拾いはどう?
ハセベ
いいですね! 円山町に限らず、いろいろとRYUさんとやっていきたいです。そしたら、ヒップホップ界でもエコが盛り上がりそうですね!
RYU
間違いない! 一緒に考えましょう。できると思います。
●りゅう
ラジオナビゲーター、プロデューサー
上智大学経済学部卒。J- WAVE 81. 3FMでは、GOOD VIBEZ(土曜日 26:00ー28:00)のナビゲーターを務める。エンターテインメントの本場であるLAで育ち、帰国後当時日本ではまだ定着していなかったHI PHOPシーンで MCを始めたパイオニア的存在。また CNN SHOWBI Zのナレーター、大ヒット・ゲームソフト「パラッパラッパー」の制作、オンステージ同時通訳、プロデュース業など、幅広く活動中。
●ハセベ ケン
渋谷区議会議員、NPO法人green bird代表。
1972年3月東京都渋谷区神宮前に生まれる。専修大学商学部卒業。2002年に広告代理店(株)博報堂を退社。その後、ゴミ問題に関するNPO法人green birdを2003年1月に設立。原宿・表参道を中心にゴミのポイ捨てに関するプロモーション活動を開始する。2003年4月に渋谷区議に当選。現在、渋谷区議会議員・無所属。
ハセベケン事務所ホームページ