野村友里さん、フードデザイナー。食を通して、人と人とを結びつける場を作る人。イベントや、お店など食のある場所をプロデュースして、みんなの笑顔を作る人。友里さんがいるところ、人が集まって、笑い声が絶えない。ハセベケンが広告代理店にいたころからの友人の一人。いま、J-WAVEのLOHAS SUNDAYでも自分のコーナーを持ち、健康でおいしい食を楽しく追求するジャーナリスティックな活動にも携わっている。そんな友里さんとハセベケンの対談が、ロハスデザインウィークの丸ビルで実現した。
ハセベ
友里ちゃんが今やっているような仕事をはじめたのはどんなきっかけなの?
野村
周りの人がなんか愉しいとか思ってくれたらいいなって。食べることは老若男女、万国共通のことですよね。それにあわせてみんなが幸せになる場をつくりたい。私は母が料理の先生とかおもてなしとかやっていたので。人は料理で簡単に幸せになるなってことを幼いころから感じていたんです。おいしいものがたくさんあると人が寄ってくるんですよ。で、みんなが気持ちいいことってなんだろうと思うと、「汚いよりきれいなほうがいい」とかありますよね。今でいうとロハスってところはあるかもしれないですね。
ハセベ
なるほどね。ぼくは友里ちゃんと出会ったころは広告代理店の営業として馬車馬のように働いていたわけなんだけど、それが、そのころの仕事のスキルなんかを生かして街のプロデュースをできないか、ということで原宿の商店会に誘われて区議会議員なんてものになって、そして今みたいなことをしているんだけど、思えば街をよくしていきたい、という感覚は昔からあったわけで、やっぱりそれも今思えばロハスっていうところはあるね。
野村
小さなころから日本をよくしたい、とか地球をよくしたいっていうことは感じてたんですよね。宇宙飛行士が宇宙から帰ってきて、「わたしは」、じゃなくて「われわれは」、という風に考えるようになったという話を聞いたんですが、わたしも、「ああ、わたしたちって地球の住人だからね」という風に考えられるようになってきたんですよ。住人としてみんな運命共同体。だから、その一人として発言していると思えたから人前でこうして話すことにも緊張しなくなったんですよ。
ハセベ
なるほど、それはそうだねえ。ぼくも参考にしよう(笑)。人前でしゃべるのって、すごい緊張しちゃうんだよね、まだ。ところでロハス、健康を志向するライフスタイルなわけだけど、やっぱり食は健康の基本だよね。
野村
なるべく素材のいいものを使い、旬のものを材料にする。あとは自分とよく対話して、現状を把握してたとえば食べ過ぎないようにするとか。そしてよく味わう。味がわかるようにしていたいです。そしてよく噛みたい。そこが大事だと思うんですよ。おなかにもあごにもいいですから。
ハセベ
なるほどね。そしてロハスのS、サスティナビリティって一番大事だと思ってるんですけど、友里ちゃんなりに思うことは?
野村
自分らしくできること、無理をしないでということが一番大事かな。あと自分が興味がないと続きませんよね。好きだから、本当にいいなと思うからこそ続くと思います。お節介かもしれないけど、いいことって人に伝えたくなるんですよね。
ハセベ
楽しみながらやるというのがやはりキーワードでね。長く続くにはストイックになりすぎない。そうじの活動とかも続けることが大切。軽い気分でみんなに来てほしいから”朝の合コン“と名づけているんです。ゴミを拾って愛を拾おうと。下心を持ってでもいいから参加してほしい、と。友里ちゃんは今後やっていきたいことってありますか。
野村
たくさんあるんですけど、たとえば食育というテーマ。やっぱり小学生くらいのときにいいものに出会えると、その後が違うじゃないですか。給食のときにいろいろな素材を知る、味を知るということって大事だと思うんですよ。それに関われるのはすごくいいなって。それと、お母様たちのための食育教室クラスをつくってもいいと思うんですよ。
ハセベ
渋谷区では給食の残りをコンポストするというのをちょっと前からやっていたんです。それを農場に肥料として渡していた。それでおしまいだったのを、去年からその農場で作った野菜を年に何回か給食で出すことにしたんです。そうすると流れが見えるじゃないですか。リサイクルして戻ってくるという。給食を通してそういう食品の流れをわかってもらう流れ。自然にそういうことが身にしみていく、20年後そういう子供たちがかっこいいおとなになっていくといいな、という。でも、それだけじゃなくて、自分たちおとながかっこよくなって手本になっていかなくちゃいけないんで、教育はもちろんだけれど、自分たちもしっかりしていかなくちゃと思うんですよ。
ロハスを媒介にして、昔馴染みの二人から、明日への期待感がまたひとつ、生まれました。ちなみにハセベケン、この6月に父親になりました。
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