(『ソトコト』 2005年10月号掲載)
至福の空間だった嬬恋のap bank fes'05。このプロジェクトで出会ったGAKU-MCとハセベケン、実はちょっとした縁がある仲。あっという間に打ち解けた二人が、改めてこれからのことについて語り合った。熱く、というよりはぬるーく、心地よく。
 

 GAKU-MC、ガクエム氏。ap bank fes'05では「昨日のNo、明日のYes」でステージを大いに盛り上げ、トークショウの司会も3日間こなした。もちろんガクエム氏はEASTEND & YURIで紅白にも出た、HIP HOPのパイオニア。復活したEASTENDのメンバーであるYOGGYは、実はハセベケンの小学校の1年先輩、昔からのご近所さんなのだ。そんなガクエム氏とこのフェスの打ち合わせで出会うとは、楽しい偶然。来場したみんなが発するバイブがハッピーでポジティブで、これ以上なかったap bank fes'05。終わってからだいぶ経つけれど、まだその興奮は体から去らない。というか、ハセベケンとガクエム氏にとってはそれはもう体に染み着いてしまっている。

GAKU
ぼくはずっと音楽にしか興味がなかったんですけど、自然は好きで、特に去年からサーフィンをやりだしたことでちょっと環境に対しては意識するようになってきてたんですよね。サーファーの方たちは浜辺のゴミを拾ったりするじゃない。

ハセベ
今度、green birdの鎌倉支部ができるんですよ。サーファーの人たちとも協力してやっていきたいと思ってるんですよ。

GAKU
いいですねえ。で、今回フェスに参加して、ほんと、いろいろな意味で勉強になってすごく自分が変わったと感じたんだ。今まではライブというと、とにかくパフォーマンスを成功させることに必死でがんばってきた。いつもどうやったら客が感じてくれてのってくれるか、いろいろと考えるんだけど、今回、小林さんや桜井さんたちが作ったフェスは、コンセプト自体が受け入れられて、あんな素晴らしいステージになる素となりましたよね。そこが新鮮だったし、すごく納得した。ホームページに書かれたメッセージ、あっという間に完売したチケット。駅から会場へ来るときの友達との会話。そして小林さんやスタッフがこだわって選んだものが並ぶオーガニックのフードコート、ぼくが司会をしてハセベさんたちが出てくれたトークショウ、いろいろな団体の展示。そしてはじまるライブ。そのすべてがフェスを見事に盛り上げた。明らかにみんなが一体感を持った空間ができた。なるほどな、と思った。気持ちがいいんだよね、あの空気感が。


ハセベ
ほんと、みんな楽しんでましたね。ゴミのポイ捨てなんて、最初からしない人たちでしたよ。意識が高いというか、そんなの当たり前、という感じで力んでなくて。ぼくたちの話もすごく熱心に聴いてくれましたよね。

GAKU
あのトークショウのときに小林さんを紹介したときの熱気はすごかった、圧倒されましたね。トークの間の真摯な目つき、顔つきにもびっくり。ライブステージも本当に気持ちよくて。気持ちのいいパフォーマンスができました。最初にアーティストたちとバンク・バンドのライブがあってから、Mr.Childrenの演奏、最後に出演者みんなで「to U」を歌う、という構成だったでしょう。だから、ミスチルの演奏の間はアーティストたちにもみんなでステージを見るスペースがあって、いろいろ話をしたんですよ。実はいろいろなフェスがあるけれどあんな風に交流できるのっていうのはそれほどないんですよ。いい雰囲気でした。そうしたスペースにもゴミを分別して捨てるのが置いてあって、みんなでなるほど、と感心したり。最後にもう一回みんなで歌うまでの間、いろいろとエネルギーのことや環境のことについて語り合ったりしたんですよ。とにかく、全員がはっきりと環境に対する意識を持って参加してて、出演しているほうもみんな気持ちがよかったんです。

ハセベ
確かに、これからももちろん毎年やっていってほしいし、やっていくだろうと思いますけど、もう毎月やってほしいくらいですよね。そして、やはりあの雰囲気を街に持って帰れたらそれが最高なんですよね。フェスに参加したのがきっかけでグリーンバードの掃除に来てくれる人なんかも出てきましたしね。まさにエコ・レゾナンスですね。あれは本当にいい言葉だと思います。

GAKU
確かに。Tシャツとかのグッズでも、メッセージは伝わっていくでしょうしね。できることから始めればいい。それでいいんだ。そう気が付けたことが大きかった。今、ものを大切にするとか、エコ・バッグを使うとか、小さなことだけどはじめているんですよ。そうすると、たとえばサッカーの試合を見に行ってもリユースカップが使われていたりすることに気がつく。ああ、いろいろなところで変わりはじめているんだなって。

ハセベ
ぼくはなんだか自信がわいたんですよ。やっていけるかな、ちゃんと伝わるんじゃないかなって。ああいう成功例を見ちゃうとね。だから、もっともっと新しいことを考えて、原宿とか、さっき言った鎌倉とか福岡とかでいろいろなことをやろうと思ってるんですよ。たとえば、ヒップホップ版のap bank fesなんてどうですか。

GAKU
いいねえ、それ。こういうのがどんどん増殖していくといいよね。だいたい、あんなテーマのフェスは世界中にもあまりないから、どんどんエコ・レゾナンスを輸出すればいいんじゃないかと思いましたね。アメリカでこのテーマのフェスをやったりね。

●GAKU-MC
ラッパー。1990年EASTEND結成。EASTEND×YURI「DA.YO.NE」でメジャーデビュー。グループ活動休止を経てソロ活動に転向するが、現在は再始動したEASTENDのメンバーとして活動中。音楽のみならず、小説の随筆や楽曲提供、プロデュースワークなどのワークもこなしている。最新作は今年6月に発売されたアルバム「Threee」。毎週ゲストを迎えて音楽を届けるレギュラー番組「ライムトラベリング」(土曜日22:00〜bayfm)も好評O.A.中。オフィシャルHPは、http://www.gaku-mc.net/

●ハセベ ケン
渋谷区議会議員/NPO法人green bird代表
1972年3月東京都渋谷区神宮前に生まれる。専修大学商学部卒業。2002年に広告代理店(株)博報堂を退社。その後、ゴミ問題に関するNPO法人green birdを2003年1月に設立。原宿・表参道を中心にゴミのポイ捨てに関するプロモーション活動を開始する。2003年4月に渋谷区議に当選。現在、渋谷区議会議員・無所属(統一会派:未来の渋谷をつくる会)。
ハセベケン事務所ホームページ  http://www.hasebeken.net/

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