(『ソトコト』 2004年6月号掲載)
リニューアルされた表参道の「生活の木」。 社長の重永さんは代々表参道に住む、原宿を代表する若手経営者。 25年も前に、LOHASな生活を提案していた先端人にして、ハセベケンが尊敬する先輩だ。 「グリーン・バード」のきっかけをつくりハセベの活動を支えてきた重永さんとのトークには、キラキラしたヒントが山盛りだ。

ハセベ:
重永さんは原宿表参道欅会の初代の青年部会長。ぼくにとっては神宮前小学校、原宿中学校の10年先輩です。そして、欅会の青年部会の表参道のそうじなど、表参道を愛する活動をする重永さんの姿に随分と影響を受けました。『green bird』のコンセプトのもとになったものですし、実際立ち上げのときに企画書も見てもらい、ずっと応援していただいています。

重永:
最初に企画書を見たときにね、これはもう大丈夫だ。ぜんぜんOKと思いましたね。ぼくが考えていたようなこと、こういう活動があればいいなあと思っていたことにぴったりの内容だったから。ゴミ拾いという、小さい具体的な活動からはじめていくこととかですね。


ハセベ:そしてもらったアドバイスが、とにかく大きな目標を持ったほうがいい、ということでしたね。それで、10年後には、日本人の1/3の4000万人が『green bird』に賛同している、少なくとも知っているって目標を考えた。

重永:
そう。10年後は、20年後は、っていうところに、一見バカバカしいみたいだけど、大きな目標って作るのが大事なんです。小さい具体的な活動がどこまで大きくなっていくか。たとえばイタリアに行ったら『green bird』の缶バッジをつけている人がいたりとか、そうなっていってほしい。原宿という、ぼくらが生まれ育った街からはじめるけれど、そこに留まらない、地域に限定しないムーブメントになっていってほしいって。でも、実際、まだ1年半でしょう? たいしたものですよ、随分と名前を聞くようになって。


ハセベ:
いや、それをいったら重永さんの『生活の木』は表参道の本店もオープンして、非常に発展していますよね。カッコワルイことはやらない。かっこいいことしかしない、という価値観。生きざまが、ファッションが、かっこいい。それは、ゴミをポイ捨てしない生活だったり、自分の体に気をつけて健康を自ら手に入れる、そんな生活。それが浸透してきた。『生活の木』の提案は、そんな時代にピッタリあったんですね。ぼくも、重永さんからそういった生き方を学ばせてもらいました。

重永:
『生活の木』はまさに、バカバカしいような目標、夢のために、楽しくやってきた結果だと思いますよ。もともと、うちは写真館、それから陶器のデザイン、創作、販売をやっていました。ずっと表参道です。ぼくは大学に入ったころから事業を手伝っていて、はやく社会人になりたかったんです。それで、大学1年のときに父が海外からハーブ・ティーというものを持って帰ってきた。ぼくは、日本にもいつかこういう健康志向というか、新しい考え方が広まるんじゃないかと思ったんですね。最初は店の隅で商売をして、でも目標は、日本のあらゆる家庭にハーブのある暮らしが浸透すること、だったんです。1970年代の終わりごろですから、これはもうバカバカしいような目標そのものでした。夢でしたね。でもそんな夢を語り、それへ向けて努力する。その過程が大事なんです。そして、そこで楽しめないと。『生活の木』はそういう感じです。ぼく自身、楽しくて楽しくてしょうがないんです。経営者が楽しんでるから、みんな楽しく仕事ができる。そして成長する。顧客満足度っていいますけれど、うちの場合は従業員がまず仕事を大好きにならないと。そこからはじまる。

ハセベ:
この本店は5階建て、アーユルヴェーダのサロンなどもあって、非常に充実していますね。

重永:
うちでは、まずカルチャーをつくるところからはじめる、というコンセプトでいるんです。たとえば自然を大事にするカルチャーといった。それをショップや、ハーブ・ガーデンといった場に落としこむ。単なるもの志向ではなく、環境や歴史といったカルチャーすべてについて考える。ライフウェアショップ、ライフスタイルではなく、生き方を共鳴させあい価値観を共有するものとしてのライフウェアのショップと言っていますが。


考えてみれば25年経つんです。ハーブを広めよう、と研究をはじめてから、このビルができるまで。松下幸之助さんは、1期を25年と考えられていた、と何かで読みました。それだけ長期にものを考えるということですよね。25年ないと、やはり何かは成し遂げられないというところはあると思います。街づくりも同じことだと思いますよ。『green bird』も、夢を追って、みんなで楽しく、努力することでしょう。

ハセベ:
目標ということでいいますと、渋谷区は20・6%が緑地なんです。都内では緑豊かな区ということになります。まあ、それは都の土地である代々木公園などのおかげであるんですが。これをたとえば、50年後には35%にできないかなと夢を見ているんですよ。

ビジネスも、政治も、ゴミをなくす活動も、やはり夢と希望と、しっかりとしたビジョンに基づいた行動力なくしては、成功は覚束ない。夢見るだけでなく、現実の壁に力尽きるのでもなく、楽しく。ハセベケン、生まれ育った街と先輩のもつ特別製のオーラから、またパワーをもらう。

●重永 忠(しげなが ただし)
1961年1月原宿表参道に生まれる。1983年東京経済大学経営学部卒業。1987年経済産業省中小企業大学校経営コース卒業。株式会社生活の木代表取締役。Tree of life(PVT)LTD代表取締役。商店街振興組合 原宿表参道欅会 副理事長。原宿表参道欅合唱団「音傳」主宰。モットーは自然に・健康に・楽しく生きる。生活の木:http://www.treeoflife.co.jp/
●ハセベ ケン
渋谷区議会議員/ NPO法人green bird代表
1972年3月東京都渋谷区神宮前に生まれる。専修大学商学部卒業。2002年に広告代理店(株)博報堂を退社。その後、ゴミ問題に関するNPO法人green birdを2003年1月に設立。原宿・表参道を中心にゴミのポイ捨てに関するプロモーション活動を開始する。2003年4月に渋谷区議に当選。現在、渋谷区議会議員・無所属(統一会派:未来の渋谷をつくる会)。 ハセベケン事務所ホームページ: http://www.hasebeken.net/
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